緊急幹部会議(前編)

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「決まってんだろ!  そのクソ野郎!()ちのめして!  警察に突き出すんだよ!」 やっぱりな~。 「それしか手は無いわね。  タイガーさん行きましょう!」 青池もそう言って立ち上がる。 「断罪(だんざい)するで御座る。」 摩子も立つ。 「凛斗、早く調べて。」 九条も立った。 お前は皆を止めろよ! 同意してどうする! 「待って下さい師匠!」 「止めんな鏡司!」 「師匠は・・・、  佐倉さんを犯罪者にするつもりですか?」 「何言ってんだ!  佐倉さんは被害者じゃねえか!」 「刑法第61条・・・、教唆(きょうさ)の罪です!」 「守屋・・・、それは違うわ。  私達が勝手に行くんだから教唆には当たらない。」 九条が反論する。 しかしここで黙るわけにはいかない。 「考えてもみろ。  警察が佐倉さんと無関係だと考えると思うか?  それに佐倉さんも、  皆を犯罪者にする事なぞ望んでいない!」 「そうよ皆落ち着いて、  お願いだから座って。」 佐倉小夜も俺に同調する。 その言葉を聴き、 不服そうながらも全員が座った。 「鏡司・・・、何か手は無いのか?」 「鏡ちゃん、何か考えてよ~!」 各々が好き勝手に言う。 「残念ながら打つ手無しです。」 そもそも警察が立件出来ない事を、 素人の俺に何とか出来るはずなど無い。 「守屋、このまま泣き寝入りさせる気なの?」 何で俺が責められなければならんのだ? そもそも初対面の女の事に、 俺に責任など有るはずも無いだろ? 何でアジトが修羅場(しゅらば)にならねばならんのだ? ・・・ん?、・・・修羅場? 今日って・・・、 『修羅場乱舞テレビ』の日じゃないか! 慌てて時計を確認するも・・・。 あ~、もう始まってる! 録画して無い! 無駄に完成度高い再現VTR好きなのに・・・。 ・・・・・・・・・? ・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・! 「佐倉さん一つ聴きたいのだが、  社長室の清掃は誰がやってます?」 「えっ、清掃業者だけど・・・、  それが何か?」 「フ・・・、フフ・・・、  フフフ、ヒヒヒ、ヒャハハハッ・・・!」 「えっ、・・・彼、・・・どうしちゃったの?」 「鏡司・・・、イカレちまったか?」
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