ボディーガード?

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「今?  今は護蓮寺駅(ごれんじえき)に着いた所よ。  ・・・・・・・・・えっ?  タイガーさんこっち来んの?  でもタイガーさん夜のガードでしょ?  ・・・・・・・・・うん。  ・・・・・・赤レンガ通り抜けて、  大通りに沿って帰るから大丈夫って、  タイガーさんに伝えといて。  じゃあね~。」 九条さんはそう言って通話を終わらせ、 スマホをポケットにしまった。 「小夜さん行きましょ。」 そう言って彼女は歩き出す。 「電話・・・、何だったの?」 「刺木さんが張り切ってるみたいですよ~。  こっちに合流するつもりみたいです。」 「待ってなくて良いの?」 「大丈夫です。  大まかなルートは伝えましたし、  途中で会えるでしょう。」 「そう・・・。」 「まぁ守屋の言ってる襲撃も、  実際可能性としては低いですしね~。  有るとしても明日以降だと思います。  社長が直接襲っては来ないでしょうし、  部下に指示出来る事じゃない。  そうなると残るは、  外部の交流の有る反社会的勢力・・・、  所謂(いわゆる)、暴力団とか右翼団体ですね。  そう言う奴等に依頼するしか無い訳で~。  それだと小夜さんの情報を伝えるのに、   時間が必要になります。  従って、  襲撃が有るとしても明日以降から。  ・・・と言う推論(すいろん)が成り立ちます。  どうです、安心出来ました?」 「確かにそうよね・・・。」 「でしょ~!」 彼女はニッコリと笑顔を浮かべた後、 小走りで曲がり角の方へ行き、 キョロキョロと辺りを見渡して戻ってきた。 その姿を見て、 ふと思い当たった事が有るので聴いてみた。 「もしかして、  あのボディーガードのドラマ観てた?」 「観てた!観てた!  もしかして小夜さんも観てたんですか!  あれ面白かったですよね~!」 やっぱりか・・・。 「こういうのやってみたかったんですよ~。」 子供か! いや、子供か・・・。 なんだろう・・・、 不安しか無くなってきた。 曲がり角を曲がって少し進んだ頃、 遠くから走ってくる人影が見えた。 それを見た彼女はバッと私の前に立つ。 成りきってるな~。 「何だ・・・、タイガーさんか。」 安心したのかガッカリしたのか不明だけど、 彼女はそう(つぶや)いた。 「ハァッ、ハァッ、ふ、二人とも・・・、  ハッ、ハッ、無事か・・・。」
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