護る者護られる者

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「あ~、  凛斗(りんと)正人(まさと)が、  守屋達くらい強かったら・・・。」 凛斗君って確かパソコンの子よね。 正人君は社長室について来た子のはず。 あの二人にそれを期待するのは(こく)だ。 「守屋達くらい強い奴・・・。  守屋達くらい・・・・・・、  強い・・・・・・・・・?」 九条さんはぶつぶつと(つぶや)いていたが、 「あ、ああああっ!」 突然立ち上がり声を上げた。 「九条さんどうしたの?」 ちょっと心配になって声をかけた。 「いた、いた、いたぁ~っ!」 「えっ?どっか痛いの?」 「違う違う!  居ましたよ小夜さん!  うってつけのボディーガードが!  タイガーさんっ!  又木兄弟って知ってる?」 「又木~?  ああ、寿人(ひさと)祐人(ゆうと)か?」 「ウンウン!それそれ!  連絡先判りますか?」 「どうだったかな?  ちょっと待ってろ・・・。」 刺木さんは立ってズボンのポケットから、 携帯を取り出して操作してる。 「お~、  寿人の電話番号有ったよ。」 と言って、 携帯画面を九条さんに向けた。 「貸して!」 刺木さんから携帯を奪い取った九条さんは、 その寿人とかいう人に電話を掛けてるようだ。 又木兄弟って何者・・・? 「あ、モシモシ~。」 どうやら相手が出たようだ。 「お久しぶりですね~。  以前、  貴殿方(あなたがた)に拉致されて、  傷ついた女です~。」 はぁ? 拉致されたぁ~! 「あの後、  心的外傷後(しんてきがいしょうご)ストレス傷害(しょうがい)、  いわゆるPTSDってやつですね。  それになっちゃって~、  今は怖くて外出も出来ないくらいなんですよ~。  ・・・・・・いえ、今さら謝られてもですね~。  ・・・これから警察に行こうと思ってまして。  ・・・・・・はい?  話し合いですか~?  ・・・・・・そうですね~。  んじゃ、付き添いの人達がいますので。  ・・・レッドビートでお会いしましょ!  それじゃね~!」 にこやかに通話を終える九条さん。 今のって・・・、 ちょっと脅迫してたような気が・・・。
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