護る者護られる者

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「君、可愛いから~、  ちゃんの方が良いんじゃね?」 バンダナ君が言うと、 「それは解るけどさ~、  そこまで親近感持たれても困るし。」 さらっと肯定(こうてい)しちゃってるこの子! 「それに私はBGだから、  立場的にアンタ達より上だからさ。  敬称(けいしょう)付けて呼んでもらうから。  そこは(ゆず)れないわ。」 「BG?」 「ボディーガードのリーダーの事よ!  そんな事も知らないの?」 言いたい・・・。 違うような気がするって言いたい。 ドラマ内の造語かもしれないのに、 自信満々で言っちゃってるし・・・。 「えっ?タイガーさんがリーダーだろ?」 「違うわよ!  筋肉馬鹿(きんにくばか)にリーダーなんて、  (つと)まる訳無いでしょ~!」 それを聴いた刺木さんは苦笑いしてる・・・。 普通なら怒っちゃう事言ってるのに、 許しちゃうって事は、 九条さんの事を気に入ってるみたいね。 やっぱり若い子の方が好きなのかな? 「そんでね、  又木ABはバックス担当で~。」 「又木AB?」 坊主頭君が聞き返す。 九条さんは坊主頭君を指差し、 「アンタがAで。」 次にバンダナ君を指差し、 「そっちがBよ。」 と説明した。 それを聞いた坊主頭君は、 バンッ!とテーブルを叩いて、 「俺は寿人だ!」 と怒鳴った。 とすると坊主頭君が寿人君か。 「俺は祐人。」 バンダナ君が腕組みをして言う。 バンダナ君が祐人君か。 「寿人、祐人で呼ぶかどうかは、  今回の働き方を見て判断するからね~。  それまではABよ。」 「大体な~、  何で俺達がその女の、  ボディーガードしなきゃなんねえんだよ!」 寿人君がそう言った次の瞬間! 「てめえっ!  その女って何だ!  佐倉さんって言えや~!  謝れやボケがぁっ!」 刺木さんが怒鳴(どな)り付けた! え~っ!そこは怒るの? 寿人君は立って、 「スンマセンでした佐倉さん。」 そう言って私に頭を下げた。 「いえ・・・、  こっちこそ何かゴメンね。」 そう言って私も頭を下げた。 「さっきの話だけど、  俺達が佐倉さんのボディーガードを、  何でやらなきゃなんないのか、  それを説明してくれるか?」 祐人君が冷静に質問してきた。
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