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私がアジトで摩子と先輩と共に、
『断罪人 護流五十三』
という時代劇を鑑賞しているのには訳がある。
それは一昨日の出来事。
護蓮寺で男子高校生二名が、
鋭利な刃物と思われる凶器で、
殺害される事件が起こった。
被害者となった男子高校生達は、
『鬼兵隊』という不良グループに所属しており。
それに対抗する不良グループの、
『雷神愚』のメンバーによるものでは？
という噂が流れて・・・。
今、護蓮寺町内は、
殺気だった不良少年達で、
溢れかえっている状態なのである。
女の子の夜間の一人歩きは危険な状態。
それで、
守屋が車で送ってくれる事になり。
自宅に車を取りに戻ってる守屋を、
待っている間、
摩子オススメの時代劇を、
鑑賞する事になった訳である。
「あ～、今日も面白かったぁ～！」
御満悦な様子で摩子はスマホを弄り出す。
時計を見上げて、
「守屋、遅いよね～。」
と言ってみた。
「そう言えばそうだよね？
何時もならとっくに帰ってきてるのに。」
凛斗がパソコンのモニターから視線を外し、
私達の方を向いて言った。
「不良に絡まれてたりして？」
先輩が冗談半分に言うと。
「有鐘の不良で鏡ちゃんの事、
知らない奴は居ないよ～。」
凛斗が笑いながら言った。
守屋ってそんなに悪名高い奴だったのか～！
「龍ちゃんと鏡ちゃんは、
有鐘知ってんの？って言われてたよね～。」
摩子がニコニコしながら言う。
「有鐘四天王だよ。」
凛斗がニコニコしながら訂正した。
・・・四天王？
二人なのに？
「・・・四天王？後の二人は？」
先輩がそう尋ねた。
・・・そうか、後二人居る訳だ。
「この前の又木兄弟だよ。
弟の祐人が鏡ちゃん達と同い年なんだ。
学校は違うんだけどね。」
と凛斗が教えてくれた。
・・・不良って、何でも大袈裟な名前付けるの好きだな。
とか思っていたら・・・。
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