アジトにて

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「ただいま~。」 「シーちゃんお帰り~!」 「あれ?  何で摩子が居るの?  家に帰らないとダメじゃないの。」 「今日からここで、  シーちゃんと一緒にお泊まりだよ~!  お爺ちゃんとお婆ちゃんには、  言って有るから大丈夫~!」 「あ~!そうなんだ~!」 「アイリーン遅いぞ連絡くらいしろ!  一人で帰って来るなんて危ないだろ!」 「大丈夫よ、  又木ABに送ってもらったから。」 「又木AB?  又木兄弟の事か?  何で奴等が出てくるんだ?」 「アンタ達の代わりに、  ボディーガードとして呼んだの。  それでさ~、  又木Bの話だと、  敵は牙龍会って奴等みたいよ。」 「又木Bってどっちだ?」 「確か祐人って自称してた。」 「祐人って言えよ、ややこしいから。」 「お前が言うな・・・。  嫌よ。  この件が終わるまではABで呼ぶ。」 「変な所に(こだわ)るんだな・・・、  しかし牙龍会か・・・。」 「知ってるの?」 「仁田川の暴力団って事と名前だけはな。」 「普通知っててもその程度だよね~。  どうする(きょう)ちゃん、  警察のデータベースに侵入すれば、  もっと詳しく判るかもよ?」 「いや、その必要は無い。」 「うん解った、止めとく。」 「凛斗、何作ってんの?」 「あ、これ?  真璃さんに頼まれた武器だよ。」 「え~っ、良いな~!  私にも作ってよ~!」 「これ出来たらね~。」 「お願いね~!  カッコイイ奴作ってよ~!」 「うん、何にするか考えとく。」 「それよりアイリーン。  佐倉さんに明日会いたいんだが、  予定は空いてるのか?」 「明日は、  とりあえず外出の予定は聴いてないわ。  でも何の用事なの?  電話じゃダメなの?」 「電話じゃダメだ。  会ってるのを見せる事に、  意味が有るのだからな。」 「見せる事に意味って・・・、  どういう事?  誰に見せるのよ?」 「勿論(もちろん)、  佐倉さんを見張ってる牙龍会にだ。」 「えっ?  見張られてんの?」 「佐倉さんの行動を監視して、  社長に報告して指示を(あお)いでるはずだ。  お前も監視対象かも知れんから、  今日からアジトで泊まるよう指示したんだ。」 「でも小夜さんとアンタが会ってる所を  牙龍会に見せるのに、  何の意味が有んのよ?」
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