狙う側の流儀

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「兄貴、兄貴~!  起きて下さい~!」 んあ、寝てたか・・・。 「あ~、終わったのか?」 「はい、失敗しました。」 「あ~、そうか・・・、  ・・・・・・・・・。  何?失敗したぁ~?  何でだ!」 「いや、作戦通りに・・・。」 「その前に車出せ!  黒手帳来る前にここから離れろ!  説明は運転しながらで良い!」 「は、はい!」 和郎は慌ててエンジンを掛け、 車を発車させた。 「作戦通りに1時に、  ピッキング班が鍵開けたらしいっす。  そしたら開けた瞬間に、  二人ヤられたって・・・。」 「開けた瞬間だと?  鍵開ける時に、  デカイ音出してたんじゃねえだろうな?」 「それは無いっす!  その辺はプロ級の奴でしたし、  それでピッキング班の残りが逃げたら、  そのまんまドア閉めて鍵掛けたって・・・。」 小さな音でも目を覚ましたって事か・・・? それに追っても来なかった・・・。 腕に覚えの有る奴なら、 女の前で良い格好したがるもんだ。 絶対に捕まえようと追って来る、 と思ってたが・・・、 見立てが甘かったか・・・。 こっちの陽動を読まれてたと見るべきだな。 「実行班も撤収させとけ。」 「あ、撤収させてます。」 「お前にしては上出来だ。」 刺木虎治朗か・・・。 有鐘の最終兵器・・・。 壊し屋源治とどっちが強いのかな・・・。 「フッ・・・。」 「兄貴・・・、  何でニヤついてんですか?」
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