胡散臭い奴

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どうする・・・、 どうする・・・、 どうすれば良いんだ~! こ、こんな物が世間に知れたら、 ・・・私は破滅だ! 「社長?如何(いかが)なさいました?」 室内の異変に気づいたのか、 宝陽が部屋に入ってきた。 それを見たチンピラは、 佐倉の喉元(のどもと)にナイフを突き付けて、 「動くなよ~!  そっちの姉さんもそれ以上来るな!」 と脅迫(きょうはく)した! 「止めなさい!  警察を呼びますよ!」 宝陽はそう叫ぶ。 「ダメだ!警察はダメだ!  宝陽!動くんじゃない!」 警察を呼ばれるのはマズイ! 私は反射的にそう叫んだ! 「社長~、  ここで商談です。」 浅目がソファーに腰かけてそう言った。 「商談?」 「ええ、実はね、  佐倉さんは、  この動画に200万円しか、  出せないそうなんですよ~。  私は、この動画には、  もっと価値が有ると思ってましてね。」 何? 「そ、そんな・・・、約束が違う!」 佐倉がそう言うと、 「だから、動くな!しゃべんな!」 チンピラが佐倉を(おど)す。 そうか・・・、 なるほど・・・、 確かに商談だな。 つまりは私に買えと言う事か。 「5月18日の午後19時10分頃。  この社長室で、   戸繰社長が佐倉小夜に対して行った、  強制性交が事実である事を証明する動画を、  戸繰社長・・・、  貴方(あなた)はいくらで買いますか?」 た、助かった・・・。 200か・・・、 なら倍の・・・。 「よ、400・・・、  いや、500万円で買おう!  俺に売ってくれ!」 浅目は俺の言葉を聴いて、 「フッ・・・、  フフフ、ヒヒヒ、ヒャハハハッ!」 不気味な笑い声を響かせた。
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