緊急幹部会議(後編)

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「守屋・・・、  その変な笑い方したって事は・・・、  何か思い付いたのね!」 守屋があの変な笑いをする時は、 作戦を思い付いたり、 作戦が成功した時が多い。 今回も小夜さんを助ける、 秘策を思い付いたのだ! ・・・と私は確信した。 「フッ・・・、  アイリーン・・・、  変な笑いとは失礼だな!  これは悪魔笑いと言う、  神聖(しんせい)崇高(すうこう)なる物なのだ!」 ・・・悪魔が神聖とかおかしいだろ! 「今回の最大の問題は証拠が何も無い事だ。  おまけにアリバイ証言をする者まで居る。」 「そうよ・・・、  何か一つでも証拠が有れば、  こんなに苦労しなくて済むのよ。」 その通りだ。 小夜さんがすぐに警察に駆け込んでいれば、 社長の体液等が採取されていたであろうし、 破れた制服等も有力な物的証拠になったはず。 小夜さんがそれらを処分してしまった事が、 この事件を立件不可能にしてしまっている。 「証拠が無いなら・・・、  作っちゃえば良いじゃな~い!」 守屋は体操のお兄さん的なポーズで、 そう言った・・・。 ポーズはともかく、 証拠を作ると言う言葉に私は反応した! 「あっ、そうか!  私達が目撃証言すれば良いのよ!  私と先輩と摩子が、  『社長が非常階段を登ってるのを見た!』  って証言すれば!  警察も再捜査してくれるはず!」 向こうが嘘の証言をするのなら、 こっちだって嘘の証言をすれば良いのだ! 守屋はお兄さんが子供達に、 『こら~、ダメだぞ~!』 的な注意をする時に良くやる。 腰に手を当てて、 人指し指を立てて左右に振りながら、 「チッチッチッ!」 ってやりやがった! 「アイリーン、  なかなか良いアイデアだが脚下だ。  それでは法廷で争う必要が有る。」 私は脚下された事よりも、 守屋の仕草にイラついた。 「次それやったら殴るからな・・・。  じゃあ!どうすんのよ!」 「お前が言ってたではないか、  防犯カメラが有れば、  一部始終が録画されてたのに、  ・・・とな。」 「確かに言ったけど・・・。」 「防犯カメラが無いのなら、  盗撮用カメラが、  仕込まれていた事にすれば良いじゃな~い!」 「・・・はぁ?」
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