緊急幹部会議(後編)

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「じゃあ早速取りかかりましょう。  佐倉さんから話を聴くのは私だけ。  今晩佐倉さんの家に、  行っても良いですか?」 「うん、大丈夫よ。」 「待てウンディーネ、  何故お前が仕切るのだ?」 「映像の作成に関する事を、  私が仕切るのは当然でしょ!  鏡司君はその映像をどう活かすか、  じっくり考えてなさい!」 「わ、解った。」 「それで明日、  資料にする写真を撮るために、  社長に会いに社長室に乗り込むわ。  その時に佐倉さんの味方になるのは、  詩夜璃だけよ、頼んだわね。」 「それは良いんですけど、  何で私だけ何ですか?」 「そうだよ~、  私も小夜さんの味方だよ~!」 「佐倉さん側の人間が、  社長や社長室の撮影してたら、  怪しまれちゃうでしょ。」 「あ・・・、確かに!」 「私は佐倉さんを利用して、  社長に会いに来たバカ女ね。  摩子ちゃんはそのバカ女に、  連れて来られた女子高生。」 「了解で~す!ビシッ!」 「動画も欲しいわね・・・。  鏡司君、ビデオ撮影用に、  正人君呼んどいて。」 「解った。」 「佐倉さん、  その時かなりキツイ事を、  私が言う事になります。  でも決して本心では無い事を、  御理解して下さいね。」 「大丈夫!解ってる!」 「それじゃ、  佐倉さんに退室してもらう時の、  合言葉は・・・、  『あら?アンタまだ居たの?』  って私が言ったら、  我慢出来ないって感じで、  退室してもらいますね。」 「解ったわ。」 「詩夜璃はその後を追い掛けて、  出て行くようにしてね。」 「了解です。」 「あ、鏡司君。  言っておくけど・・・。  費用・・・、かなり掛かるわよ。」 「大丈夫だ・・・、  金に糸目は付けんぞ。」 「じゃあ、  再現VTRに関する、  打ち合わせは終了よ。  後の細かい作戦は、  鏡司君に任せるわ。」 「・・・やっと俺の出番か。」 先輩の話の途中で私は気づいていた。 この作戦の重大な瑕疵(かし)を・・・。 どんなに精巧な再現VTRを作っても、 それは裁判での証拠としては使えない、 ・・・と言う事に。 でも・・・、 それを言っても良いのか?
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