大勝利?

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「シーちゃん、  あん時先に部屋出ちゃうんだもん。  作戦と違うから焦っちゃったよ~。」 「そうよ、詩夜璃。  えっ?ってフリーズしちゃったわ。」 「ゴメンなさい・・・。」 私達は今、 蔵武建設の前に有るカフェで、 守屋達の帰りを待っている。 「でもあれは、先輩も悪いんですよ~。  だって、『しゃちょ~ん。』  とか、『あは~ん。』  とか言っちゃってんだもん。  もう可笑(おか)しくって可笑(おか)しくって、  我慢の限界越えちゃったんだもん!」 「あは~んは言ってないわよ!」 「確かにギャップ有りましたよね。」 正人が助け船を出してくれてる。 「正人君が気を()らしてくれたから、  オロオロする事は無かったけど、  ちょっと危なかったわ。」 「・・・スミマセン。」 反省しきりである。 「詩夜璃ちゃん、  見張ってるような車は居なかったぜ。」 又木Bが偵察から帰って来て、 私に報告してきた。 「そう・・・、  昨夜襲撃が有ったって聞いたから、  今日も見張られてると思ったんだけどな~。」 タイガーさんから昨夜の襲撃の報告を受け、 見張りの車が無いか、 又木Bに偵察を頼んでいたのだ。 「見張られてると思いますよ。」 そう言ったのは正人だった。 「怪しい車は停まって無かったぜ。」 又木Bが不満気に言うと、 「多分周回してるんだと思います。  あの外車、前を通るの5回目です。  他の車も周回してるかも知れませんし、  油断しない方が良いですね。」 駐車して見張っている訳では無いと言う事か。 「九条よ~。  やっぱり昨日追っ掛けて捕まえた方が、  良かったんじゃねえか~?」 「タイガーさん出てった後に、  小夜さん襲われたらどうすんですか!  敵の陽動だったかも知れませんし、  籠城策(ろうじょうさく)最善(さいぜん)ですよ。」 「そうかな~。」 タイガーさんは小夜さんの前で、 活躍出来なかったのが不服なようだ。 「しかしタイガーさん、  良く気付いたっすよね~。  佐倉さんとベッドで寝てたんしょ?」 又木Bが感心したように言う。 「バカ野郎、  俺が小夜さんと一緒に寝れる訳ねえだろが!」
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