大勝利?

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私達がカフェを出て、 蔵武建設の玄関前に到着すると。 丁度玄関ロビーに出て来た、 守屋達の姿を見付けた。 「あ~!出て来たよ~!」 「鏡司君・・・、どうだったの?」 「作戦は大成功だった。」 守屋の勝利報告を聞き皆が歓声を上げた! 「あれだけ完璧な再現VTRだものね!  絶対に見破られる事は無いから、  当然の結果だわ!」 先輩が誇らしげに言うと、 「あっさり見破られたぞ。」 と守屋が返す。 その言葉を聞いた先輩は、 その場に、 崩れ落ちるように膝を突き、 「あれだけ完璧に作り込んだのに、  あれだけ完璧に作り込んだのに、  あれだけ完璧に作り込んだのに、  あれだけ・・・・・・。」 ブツブツと呪文のように呟き続けてる。 「見破られたのに・・・、  どうして成功したの?」 「見破られるのが遅かったからな、  ・・・間一髪だった。  あの敏腕秘書が、  最初から室内に居たら終わってた。」 敏腕秘書・・・、 確か宝陽って呼ばれてたかな? 「あ、ウンディーネ。  見破られたのは、  部屋の配置替えが原因だから落ち込むな。  映像は完璧だと誉めてたくらいだからな。」 守屋が先輩にそう言ったのだが、 「配置確認ミス。  配置確認ミス。  配置確認ミス。  配置確認ミス。  ・・・・・・。」 呪文の中身が換わっただけで終わる。 「真璃ちゃん元気出して。  鉢植えの場所なんて、  私も覚えて無かったから、  真璃ちゃんの責任じゃ無いわ。」 小夜さんが先輩の側に寄り、 そう言って慰める。 「あ~、結局出番無しか!  九条ちゃんに、  強いとこ見せらんなかったな。」 「全くだよ。  詩夜璃ちゃんに、  守屋達より強いって事、  見せてやれ無かったぜ!」 又木ABが、 負け惜しみとも取れる発言をした。 「寿人も祐人も有り難うね。  また何か有ったら呼ぶから。」 お礼も込めて呼び名をABから昇格させたが、 「呼ぶな!」 「呼ぶな!」 二人が口を揃えて言った。 二人とも、 意外と照れ屋さんのようだ。 「久しぶりに会ったんだ。  どうせなら最後まで付き合えよ。」 守屋がそう言うと、 「全部終わったろうが?」 寿人がそう返した。 「今から最終決戦だよ。」 守屋はそう言って、 2台のボイスレコーダーと、 スマホを取り出し、 「コイツを賭けてな!」 とニヤリと笑いながら言った。
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