最終決戦!・・・それぞれの闘い

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蔵武建設から少し離れた公園。 周りに木が生い茂り、 道路から中は見えにくくなっている。 「さて・・・、  迎え撃つならここだな。」 守屋は立ち止まり、 公園の中に入って行った。 「戦闘員以外はここから離れろ。」 公園の中央付近で立ち止まった守屋は、 私達に向かって指示を出した。 「じゃあ頑張ってね~!  小夜さん行きましょ!」 私は小夜さんの手を取り、 公園から離れようとしたが、 「私は残るわ。  最後まで見届ける。」 小夜さんの言葉を受けた守屋は、 「佐倉さん、  では音声データを預けます。  師匠、佐倉さんをお願いします。」 「鏡司、  そんな事は言われるまでもねえよ!」 タイガーさんはそう言って、 不敵に笑っている。 さて・・・、 小夜さんが残るのなら、 私だけ逃げる訳にはいかない気がする。 しかし足手まといになる可能性も高い。 どうしようか迷ってたら、 ザザーッ、バン、バン。 と車が停まった音に続き、 ドアを閉める音がした。 恐る恐る振り返ると・・・、 来たっ! いかにも本職っ! って見た目の男達が・・・。 ざっと見で十人くらいかな? 数ではこちらも十人居るが、 戦力的には五人だ・・・。 あ、一応摩子もいるから六人か。 呑気にそんな事を考えている場合じゃない! 敵のボスらしい男が近付いて来て言う。 「一応言っておくぜ。  音声データ・・・、  ってのを渡せば何にもしねえ。  大人しく渡しな。」 「一応聴いておくが、  本当に何もしないんだな。」 「ああ、約束する。」 「申し出は有り難いのだが、  丁重にお断りさせて頂く!」 「だろうな・・・。  おい!刺木ってのは俺がやるから、  お前らは他のやつを潰せ!」 ボスの言葉が合図になり、 全員がこっちに向かって来たぁー! 「ウラァッ!」 と声を上げ、 土門がボスに向かって行ったが、 あっさりとキックを食らって、 吹っ飛ばされた! 他の奴等がこっちに来た! 逃げなきゃと思い周りを見るも、 逃げ場は無い! 取り合えず守屋の後ろに隠れ、 背中にしがみつく。 「おい!  危っ!危なっ!危ないっ!  コラッ!裾を掴む、  危な!危なっ!  離れ、  ウワッ!当たる!当たる!」 守屋が何か叫んでる。 何とか敵を撃退し、 後ろを振り向いた守屋に、 「どっか行けー!」 と怒鳴られた。 「は~い!」 返事をして、 次の隠れ場所を探す私。
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