守屋の師匠

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「橋の欄干の外側に、  何か変な紙切れみたいのが有ってさ、  それ気になって取ろうとしてたら、  あの人いきなり『死んじゃダメだ~!』  とか言って突っ込んで来て・・・、  危うく本当に川にダイブしちゃうとこだったわ~。  あはははははっ!」 楽しそうに笑っている小夜さん。 何だ・・・、 タイガーさんの早とちりか・・・。 「でも・・・、  本当は死にたかったのかもね・・・。」 伏し目がちに悲しそうな顔で、 小夜さんはポツリと呟く・・・。 「何か・・・、有ったんですか?」 私は遠慮がちに尋ねた。 小夜さんは、少し迷っていたようだが・・・、 「まぁ大した事じゃ無いから・・・、  あっ、  この紙なのよ、その時の紙切れ。  何かの名刺っぽいの。」 話題を変える為なのか、 小夜さんはそう言って私達に、 その紙切れを見せてくれた。 ・・・え~と、 秘密結社・・・、 ん?・・・コレって! 「あ~!  これ、私の名刺だ~!」 摩子が大声を上げる! 「え~!  コレって摩子ちゃんのなの~!  スゴい偶然だね~!」 小夜さんも驚いてる。 「小夜さん!  コレって運命だよ!  私達が小夜さんの力に成れるって、  神様が教えてくれてるんだよ~!」 そこまで言って摩子は、 小夜さんの手を両手で握り締め、 「だから、  何が有ったのか話して。」 と優しく微笑んだ。 小夜さんは、 少し困ったような顔になり顔を伏せた。 何か考えていたようだったが、 吹っ切れたように顔を上げて言った。 「私ね・・・、社長にレイプされたの。」
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