最終決戦!・・・それぞれの闘い

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クソッ!間に合わん! しかし、 奴が長ドスを拾って立ち上がった瞬間に、 魔剣を叩き込める! 「イテッ!」 何か俺に当たった! ダメージは無いが、 立ち止まってしまう! その隙に奴は立ち上がり、 長ドスを(かま)えて、 師匠と対峙(たいじ)していた。 こうなっては迂闊(うかつ)に近寄れん! 師匠は立ち上がってはいたが、 右腕をだらんと下げたまま、 左手のみで構えを取っている。 とてもじゃないが勝ち目など無い! 「佐倉さんっ!奴に音声データを渡せ!」 「うるせえ鏡司黙ってろ!」 「もう良い!もう良いよ刺木さん!」 「小夜っ!黙って見てろ!」 師匠は奴との間合いを詰める。 「右足引きずってんじゃ無いですか!」 俺は(たま)らず声を上げた! 奴は長ドスをゆっくりと上に持ち上げ、 上段に構える。 「退()けよ刺木・・・。  俺は本気だぞ・・・。」 「惚れた女これ以上泣かす訳に行くかよっ!」 「死ねやっ!」 奴は長ドスを上段から降り下ろした! 師匠は左拳(ひだりこぶし)を放ち、 長ドスの柄を握った手ごと破壊する。 さらに左の前蹴りで、 奴の(あご)を蹴り上げた! 声を上げる間も無く、 奴は仰向けに倒れた。
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