最終決戦!・・・それぞれの闘い

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「佐倉さんゴメンね。  貴女(あなた)の言ってる事が、  本当だったなんて、  今日まで知らなかったの。  おまけに戸繰が望月達まで、  勝手に動かしてる事も知らなかった。  本当にゴメンなさい。  お金で幸せが買える訳では無いけれど、  幸せを掴む助けになるはずよ。  幸せになってね、祈ってるから。」 「宝陽さん、ありがとう。  でも私・・・、今、幸せだよ。  あんな事が有ったけど、  あんな事が有ったおかげで、  こんなにたくさんの友達が出来たわ。  それに・・・。」 そこまで言って佐倉小夜は言葉に詰まっている。 「それに?」 「やっぱり秘密にしとくよ。  秘密だらけなのが女って生き物だものね。」 佐倉小夜はそう言った後、 宝陽に向かって右手を差し出した。 宝陽は差し出された手を右手で握り、 二人は握手を交わした。 「それじゃ、  そろそろ社に戻らなきゃ。  皆さんごきげんよう!」 宝陽は我々に向かい、 深々と頭を下げた後、 公園の出入り口に向かって、 歩き出したのだが、 少し進んだ所で立ち止まり、 振り返って言った。 「一つ聞き忘れたんだけど、  貴方達(あなたたち)、一体何者なの?」 俺はそれに答える。 「我々はこの世の影に潜み・・・、  この社会に混沌(こんとん)混迷(こんめい)を、  もたらすた・・・。」 「止めなさい!恥ずかしい!」 「イテテテテテテ・・・。」 まだ途中まで言って無いのに、 青池に耳を引っ張られる! 「まぁ、通りすがりの正義の味方って事で!」 九条が勝手な事を言う。 その隙に摩子が宝陽の側へ駆け寄り、 「これど~ぞっ!」 と何かを差し出す。 宝陽はそれを受け取り(しばら)(なが)めた後、 「あははははっ!  こりゃ勝てんわ~!」 と楽しそうに笑った後、 手を振りながら公園から出ていった。
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