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「ずっと守るって言ってたじゃない、
嘘つき・・・。」
「いや、嘘じゃねえ。」
「惚れた女って私じゃ無いの?」
「い、いや、それは・・・。」
「私は惚れた女じゃ無かったの?」
「いえ、佐倉さんです。」
「小夜で良いよ。
二回も小夜って、
呼んでくれたじゃない。」
「小夜・・・、
好きだっ!」
「え~、聞こえないよ虎治郎、
もっかい言って!」
「小夜っ、好きだっ!」
「え~、聞こえないよ~。」
「小夜っ、好きだっ!」
「聞こえないから、
台詞替えて言ってよ。
もっかい言って!」
「聞こえてるんじゃ・・・。」
「聞こえてない!聞こえてない!
次の台詞言ってよ!」
「あ、愛してます!」
「私も~、次言って。」
「大好きです!」
「私も~、次言って。」
「アイラヴユー!」
「ミートゥー!次は?」
「チューしないの?」
足元から声がした。
足元見たら、
女の子が俺達を見上げてた。
「ねぇ、チューしないの~?」
「こら!マコちゃん!ダメでしょ!」
この子の母親が俺達の側に来て、
この子を抱き上げた。
「ママ~、
オジちゃん達チューしないの?」
「部屋に入ってからするの!」
母親はそう言って子供を叱った後、
ハッとして、
俺達の方に照れ笑いしながら、
「あの・・・、
おめでとうございます。」
と言ってペコリとお辞儀した。
「あ、ありがとうございます。」
と俺が礼を言うと。
パチパチパチパチパチ・・・、
と祝福の拍手が起こる。
・・・皆に、見られてた。
「ありがとうございます。」
四方八方に頭を下げながら、
俺達は部屋に入った。
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