サクラは満月の夜に花を開く。

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部屋に入って、 小夜の手料理をたらふく食った! 今までも旨かったが、 今日は格段にウマイ! 食べ終えた時、小夜が言った。 「ねえ虎治郎。  明日から旅行行かない?」 「お、良いねえ!  行くか、旅行!」 「うん、行こ、行こ!」 「良し!行こう!」 「やったぁ!  んじゃ、洗い物するね~。」 「おう、何か手伝おうか?」 「良いよ、良いよ~。  座っててね~!」 そう言って小夜は、 テーブルを片付け始めた。 あ、鏡司達にメールしとかないとな。 俺はスマホを操作し、 文面を考える。 え~と、鏡司君今までありがとう・・・。 変だな。 君付けなくて良いな。 今まで君付けた事ねえし。 『鏡司、世話になったなありがとう。』 書き出しはこれだな。 次は・・・、 そっか二人で旅行するって書いとかないとな、 あれ?行き先決めてねえや。 「佐倉さ~ん。」 返事がねえ。 聞こえてないのか? 「佐倉さ~ん!」 さっきより声大きくしたのに、 まだ聞こえねえのかな? あ・・・、違うな。 こう呼ばなきゃ、 「小夜~。」 「何~、虎治郎?」 やっぱりだ! 「旅行先どこにする?」 「ん~とね~、北海道行こうよ!  イクラ、カニ、ウニ、  ジンギスカンに味噌ラーメン!  美味しいもの沢山有るから。」 「お~、北海道良いな!  北海道にしよう。」 え~と、 『しばらく北海道に旅行する事になった。』 だな。 あ、後は皆にも礼を言っとかないとな。 『皆にもありがとうって言っといてくれ。』 だな。 後は、 『じゃあな。』 で良いか! んで送信っと。 メールを送信した後、 俺は窓から外を見た。 こんなに綺麗な満月の夜に、 素敵なハッピーエンドを、 迎えられるなんてな。 たまには、 こんなおとぎ話が有っても良いって事だ。
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