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「お母さんが亡くなってから20年。
まだ君が5歳になる前だったね。
僕はお母さんがいないと、何にも出来なかった。
これからどうしようかと、僕だけで君を守っていけるのか、本当は不安だったんだ。
なのに君は、とても強い子だった。
不甲斐ない僕にいつもきらきらした笑顔を見せてくれた。
僕にたくさん折り紙を作ってくれたりもしたね。
僕は君に何度も救われた。
君のおかげで、僕は幸せだった。
君だって悲しかったはずなのに、弱音なんか吐かなくて。
いっぱい我慢させてしまってごめん。
小学校に上がってから、ランドセルを背負う君が可愛くて、何枚も写真を撮ったね。
運動会のお弁当も僕はあんまり上手く作れなくて。
なのにおいしいって全部食べてくれた。
今ではすっかり、君の方が料理上手になってしまったけど。
……中学校に通う頃は本当は、反抗期で口も聞いてもらえなくなるんじゃないかってひやひやしてたんだ。
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