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娘のお相手は、よく気の利くなかなかの好青年だった。
年は娘と同じ。
紹介したい人がいると告げられたのは数ヶ月前だった。
夕食の時に突然言われたものだから、僕は動揺のあまり茶碗を引っくり返してしまった。
いつかそのときが来たら、父親らしく堂々と受け入れてやろう。
なんて何年も前からシュミレーションは完璧だったのに、我ながら情けない。
もし、同じ食卓で君も並んでご飯を食べていたら。
きっと娘と一緒に大笑いされたんだろうなあ。
数日後。
娘と共に家を訪ねてきたのは背の高い青年だった。
きちっとスーツを着て、髪型を整えた彼。
娘は緊張している彼の隣で笑いを堪えていた。
僕も落ち着きなくそわそわしてしまって、威厳のある父親像には程遠かったと思う。
君がいてくれたら、もう少しは強ばった顔を和らげることができたのかもしれない。
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