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「騎...士帝...。
俺は、ケント・ミランダです。」
気絶気味で青白かった顔のケントの意識がはっきりしてきたのか、ニコラスにされた質問を自分で答えた。
「ケントか。
俺は騎士帝。
ウェンリー・ホワイト。
すまなかったな。力加減ができなくて。
もともと脅す程度にしようと思ったんだがケントの気配と魔力に怖気づいたのか、つい力み過ぎてしまった。
首と内臓は大丈夫か?」
そう言い、自分が怖気づいた事を恥ともせず暖かな笑みを向けられた。
「俺こそすみません。
つい気になって王様がいる部屋を覗いてしまって。」
ベットの右にウェンリーが座っているためか、左に王様と思われる金髪碧眼の王子様みたいな格好良い青年が、いつの間にか座っていた。
ウェンリーに連れられベットに寝かせられているケントの隣から何故だが突然抱きつかれる。
「俺はこの国の王、ユリウス。
ケント君可愛い子だな。
是非俺の友達になってくれ。
正式の場でないときには是非友達のように接してほしい。
今日ついさっき勇者と思われるやつが来たがどうも気に食わん。」
そう言い有無を言わせない笑顔を向けられる。
「俺なんかで良ければ...。
というか、何故抱きつかれているんでしょうか。
ついでのように頭をナデナデしているのも何故でしょうか...。」
まだ青白い顔で二人に聞くと同じことを答えた。
「「ケント(君)が可愛くてつい。」」
するとケントの足元から黒ーいオーラが流れてきた。
少し良くなってきていた顔色もまた青白くなり、強い気配に押しつぶされそうになっている。
ここに来て一日も経っていないケントには殺気とは別のこの強い気配には耐えられない様子だ。
そして一気に気温が下がったのにもかかわらず何食わぬ顔で王がケントに結界を張った。
「俺のケントに手を出すなよ。
絶対に恋の方では好きになるなよ。
特にウェンリー。
お前いつも俺と好きな奴被りやがって。」
そう言ってニコラスがウェンリーに突っかかりウェンリーに近づこうと一歩踏み出した時...
城の敷地内に知らない魔力が入りぱっとそっちを三人は見た。
ケントは苦しそうに顔をしかめたが王様が張った結界は回復魔法も練り込まれていたらしく徐々に回復していた。
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