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ケントはそこそこ回復したので起き上がり、寝かせられていたベットに座りニコラスに話しかけた。
「ニコラス。
今の魔力は...?」
そう問いかけた直後にドガァーンとなにかかたい壁のような物が壊れる音が外から聞こえた。
その音を聞き王とウェンリーは顔をしかめる。
二人の表情を見たケントはニコラスと顔を合わせ嫌な予感がすると言いたげな顔をしてあえてその名前を声に出した。
「勇者、マサル・キシ、かな。」
その名前を声に出した瞬間ばっと王とウェンリーはケントに視線を移した。
「ケント、何故その名を知っている。
あぁ!今はそんな事より、あいつの魔力がこっちに近づいて来てるのだが...!」
そう言い念話で騎士や召使い等に指示かなにかしていた様な仕草をとった後、勇者の魔力の移動が止まった。
「俺と同い年で同じ学校の生徒で同じクラスで同じ世界から来たから知っているだけ。
というかなんでこっちに向かってきてたんだ?」
「そうか。
まあ面倒くさいしケントが敵でないなら聞かない。
付近の騎士からの伝言だ、あいつは王に会いたかったらしいぞ。
ユリウス。」
「俺かよ。
ウェンリーあいつを適当な理由で追い返しておけ、せっかく友人三人来ているのに邪魔以外の何者でもない。
ウェンリーが指示出ししている間に俺は、お茶とお菓子を用意しよう。ケント君手伝ってくれ。
今の俺は王様ではなく君たちの友人ユリウスだ。」
そう言い、スタスタと奥に歩いていってしまったので、ケントは慌てて後を追いついていった。
「さて。俺はギルドに連絡するか。
マサル・キシがギルド依頼以外で来たら適当に追い出しておけとな。
ウェンリー、俺に手伝えることがあれば言ってくれ。
間違っても勇者を追い出すのに行ってこいとは言うなよ。
そもそもこの世界の魔王は倒されたはずなんだが...?」
ソファーに腰を下ろしたニコラスを見ながらウェンリーは苦笑し勇者の話題を続けて出す。
「あいつに火帝、水帝を送り込んだ。
同じ歳で、火帝、水帝は面食いだからな。丁度いいだろう。」
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