勇者がしつこい。

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「ゆ、勇者君あと数メートルでこの扉の前まで来ますけどほっといて良いんですかね…?」 ユリウスの膝の上に未だ座って撫で回されてるケントは、目の前に見える扉を見ながらユリウスに話しかけた。 そんな行動をさせられているがケントは細マッチョ系で軽い方かもしれないが、決して背が低いわけではない。 顔も格好良い顔つきだが中性的でも女顔でも可愛いわけでもない。 だが、ニコラス、シンやユリウスのように撫でたりした事のある人が言うには猫ぽくて癒やされるらしい。 複数の足音が聞こえ、徐々に大きくなってくる。 足音の感じから9人はいると考えていいだろう。 そんな人数で来る人で条件が当てある人は勇者しかいない。 廊下狭くないだろうか...。 勇者の周りにいた人は、さっきケントがイタズラしたときにユリウスの執務室にいる人は誰が勇者の取り巻きか、ケントが魔法で出したスクリーンで確認している。 勇者以外ではユリウスの娘、帝二人、5魔属貴族の娘息子と一人ずつ。 全て勇者の同い年だろう。 5魔属貴族は一つの属性に付き一貴族ではない。5魔属貴族はかなりの切れ者が多いが貴族という位に、権力に溺れ腐った性格をしているものもいる。 今回の取り巻きはそれらの娘や息子だろう。 ついでに言うと、光と闇の貴族はいない。 ユリウスとケントが見ている扉が突然トントンと音を鳴らす。 勇者か取り巻きがノックをしたのだろう。 一応突然開けるという常識外れは行動はしなかったようだ。 「誰だ。」 ユリウスは冷たい声で問う。 それに関心とある意味な恐怖で執務室にいた帝はチラッとユリウスに目を向けたが、恐怖を感じた理由もわからず、すぐに目線を扉に移した。 「父上私です。 サリアです。 勇者様をお連れしました。」 ユリウスは帰れと言うべきかと思ったがローブを持っていないケント以外の帝は全員ローブを羽織り顔を隠した。それを見てユリウスがさっきの雰囲気と打って変わってニコッと笑うのが合図になり、全員頷いた。 問題を起こさないでくれよと思ったユリウスはただ一言声をかけた。 入れ。 と。
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