あなたのために

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あなたのために

 大きなソファーの上で、赤いタイツの脚をバタバタさせながら、女の子が破れかけた古いノートとにらめっこしている。物語を読んでいるのだ。生まれつき片方の翼しかない天使の話を。黄色く変色したノートをまた1枚めくった。あと数ページで物語は終わってしまうのだが、彼女はどんな顔をするだろう。  作者は、僕だ。
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