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読書家の父に影響され、『グリム童話』や『アンデルセン童話』を読み育った僕は、必然的に本の虫となった。童話は、僕をとてもふしぎで楽しい世界へ連れていってくれた。
10歳のとき、こんな夢を見た。
人魚姫と7人の小人が現れ、みんなで冒険に出かけようと僕を誘う。僕は8人目の小人になり、黄金の剣をかかげ、ドラゴンの背中に乗っていた。
大笑いしながら起きた僕は、この興奮を父と母にも教えてあげたいと、夢での武勇伝を物語風にして原稿用紙に書いた。ふたりの前で朗読すると、目を丸くして驚き、嬉しそうに微笑むのだった。
もっと、父と母を笑顔にしたい。みんなを楽しませたい。僕の物語を、誰かに読んで欲しい。その想いは、いつしか童話作家への憧れとなった。
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