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ー私は30年前、失恋によって鬱病となったー
蒼葉はおもわず引き込まれた。
ー自身で催眠療法を学び、鬱病を克服しようとしたが改善されなかった。
恋人を失った事実は変えようがない。
私はどんな手を使ってでも、恋人を自分のものにしたかった。
キムラ派サタニズムはそんな自分にぴたりとはまった。
私はキムラ派サタニズムを実践していく中で、自分の中に眠った欲望を見つけていき、鬱病は回復。主体的な人格へと変貌していった。
そして、ついに彼の心までも手に入れたのである。ー
蒼葉は地下室に飾られている写真たちを見た。
地味な青年だった清雅が、徐々に女性らしくなり華やかな女性に変わっていく写真。そして、清雅が男性と腕を組んでいる写真まで見つかった。
ー留意したいのは、私の人格が変わったことが彼の心を手に入れた理由ではない。私が意図的に、彼の心をコントロールしたのである。
私が独自に構成したキムラ派サタニズムを基礎とする催眠療法を駆使すれば、人類の限界を超えた力が手に入る。もちろん、愛する人の心を自在に操ることも。ー
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