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渡邊花帆の家は大豪邸だった。ハリウッド映画の高校生ばりに、クラスメイト達を集めてホームパーティは開催されていた。
「私服の蒼葉くん可愛い!!」
ホームパーティに顔を出した青葉を、女生徒達が大声で出迎える。
昼間の清楚な立ち振る舞いとはうってかわって、少し過剰に露出した私服と、しっかり決め込んだメイク。一階のリビングには無数のアルコールやお菓子。部屋中に鳴り響くEDMに乗り、男女みな大胆に開放的に、はしゃぎまわっていた。
五分いただけで蒼葉は目が回ってきたため、ウーロン茶を片手に静かそうな二階へ上がっていった。
二階には複数の部屋があり、一番奥の部屋の扉には人差し指に中指を交ぜ合わせるジェスチャーがプリントされた紙が貼ってある。
まずい、と蒼葉は思ったが、偶然その部屋から男子生徒が現れ青葉を捉えた。
「蒼葉じゃん!こっちこいよ!!」
ぐいっと腕を引かれ中にひきずりこまれる。
部屋の中は薄暗く、せまい部屋で男女が肩を抱き、身をよせあっていた。
「蒼葉くんだ」
そこに居た一際大人びた雰囲気の渡邊花帆が興味あり気につぶやく。
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