目には目を

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「経歴じゃ人の信用は測れないからね。彼のようなタイプは勘違いするかもしれないが」 今日は随分と早く仕事から帰ってきたらしい神藤が、ネクタイを緩めながらテレビを見てつぶやく。 「先生、お帰りなさい」 登季子さんが神藤の手からカバンを受け取ると、上着を脱ぐのを手伝って、書斎へと荷物を置きに行った。 「神藤先生…俊ちゃんは…大丈夫ですか?」 隠し子の存在を暴露されてもまだ否定し続けている磯島。そして、その磯島を追いかけるマスコミに対して、優衣香は不安を感じているようだった。 「俊介くんは大丈夫だろう。問題は…如月和久が何を話すか…だろうな」 神藤がそう言うと、円華が振り返り、神藤を見た。 「父の元にも捜査が入っているんですか?」 「ああ。今頃、五十嵐くんと彩香が行っているだろう」 どうやら知らない間に連絡を取り合ってこれからの事を相談したようだ。 「彩香が言うには、俊介くんの父親はこの事件の解決を願ってるようだし、彼の話次第では大きく状況は変わるだろうね」 「え……?父が?解決を願ってるって…どういう意味ですか?」 円華が訊くと、神藤はいつもの自分の定位置に腰掛け、脚を組んで息を吐いた。
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