第1章 彩香の場合

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すると、突然画面が真っ暗になり、 一瞬音が止まった。 そのあと、鮮やかな光のフラッシュがピカピカピカッと閃光を発して、 まるで夜空の打ち上げ花火のように画面いっぱいに輝きを放ち、 シュルシュルシュルシュルシュルー ドドドドドドドドッ、 ゴゴゴゴーーーッ ドドーーーーン!!! っていうすさまじい音とともに、モンスターが崩れ落ちた。 ゲームをやったこともないのに、目の前でおきた現象がすごい迫力で、ドキドキした。 こんな感情はひさしぶりだな。 なんだか放心状態で、マウスを握りしめたままボーッとしていると、 「おつー」 「おつ」 「おめー」 「おめぇー」 みんな口々に何か話しだしてる。 「祥太、みんななんか言ってるよ」 祥太がポテトを食べながら近づいてきた。 「あ。倒したんだね。」 ポテトをかじってる油まみれな手でパソコンを触ろうとするから、 「あ。ダメダメ、手洗ってからだよ」 「じゃぁ、おつって言っといて。何も言わなきゃイヤなヤツだと思われちゃうから」 「ん?おつ?」 「お疲れさまのことだよ、」 なるほど なんか、なじめなくて、おつかれさま、って打ってしまったわたし。 「あ、レベルが上がったんだ、みんなおめでとうって言ってくれてる。ありって言っといて」 それもまた、ありがとうって打ってしまったわたし。 「アイテムやゴールドを分けてくれたんだ、それ、クリックして」 目の前に置かれた山をクリックしたら、チャリンチャリンって音がした。 「ゴッドソウルのかけらは、カムイさんが麒麟を呼び出してくれたので、カムイさんにお渡しします。 ゴールドは全員で山分けします。それでいいですか?」 「ラジャー(^^ゞ) 「りです」 あ、なんか言わなきゃ。 「はい」 でいいよね。 ゲームなのに意外と神経使うんだな。 そして、ハンバーガーを食べ終えて、手を洗ってきた祥太と交代した。
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