終わった恋

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早歩きで駅にむかっていくうちに、涙があふれでてきた。 駅に着いたころには、肩をふるわせ、号泣していた。 そりゃそうだ。 ここ数年は遠距離だったとはいえ、6年もつきあってきたんだもん。 彼との思い出がよみがえる。 彼とは、大学の旅サークルで出会った。 別にイケメンではないけど、優しくて真面目な彼は、女子が多いサークルだってこともあり、結構もててた。 わたしはもっぱらキューピッド役で、友だちや後輩に相談されて、彼との間をつないでいるうちに、お互い、気が合うことに気づいてつきあいだしたのだった。 同じサークルってこともあり、最初のころは内緒にして、サークル抜けだしてふたりで出てったこともあったっけ。 情熱的だったな。 こんなにあっさり別れちゃって・・・ これでよかったのかな。 わたしはこういうときの修羅場が苦手。 わたしのどこがダメなの? とか、 その女とわたしのどっちが大事なの? とか、 取り乱して、泣きわめいて、すがりつくほうが、男の人にとってはかわいい女にうつるんだろうな わたしは、甘えることとか、すがりつくとかできない。 わたしに気持ちがないって思うと、スーッとさめてしまう おまえは、俺がいなくってもひとりでも生きていけるだろって言われてふられたこともあったっけ。 そう、わたしは可愛げがない女なのだ。 誰もいない、駅のホームのかたすみで、泣いて、泣いて、嗚咽して泣いて・・・ そして、わたしの恋が終わった。
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