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「え?!せ、芹那。なんで?」
「え?なんでって、ここに帰るのは当然……」
芹那が不思議そうにそう言いかけると、俺は思わず芹那を抱きしめた。
「芹那、探したんだよ。病院行ったり実家に行ったり、あちこち探し回ってたよ」
「そうなの?」
「…昨日から無断外泊だろ」
「疑ってた?他の男の人のところに泊まる、とか」
芹那はそう言って俺を抱きしめてくれると、俺は思わず頭を横に振った。
「頭を冷やして、考えてただけよ」
「由里さんと談話室で話してるのを、聞いちゃったんだ。だから、俺…」
芹那の耳元で、俺は情けないような声でそう言うと、芹那は少し驚いていたようだけど、再び俺の背中をギュッと抱きしめてくれた。
「すぐに答えなかったみたいだし、なんか、悩んでたような…」
「圭太。私と結婚してください」
突然芹那がはっきりと言うと、俺は驚いて芹那の肩を掴んで離して、芹那の瞳を覗きこんだ。
「え?!な、なんで?今の話の流れで、なんで、そんな……?」
と言いながら、俺はすでに頭の中が破裂寸前だ。思考回路がショートしてしまっている。
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