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第3話 弁当
校則破之助は基本誰とも群れない。
弁当も1人で食べる。
生徒たちも、幽霊であってもお昼ご飯は食べる。
いや、正確にはお昼ごはんの幻影なのかもれしれない。
幻影なのだから、好きなものを持ってくればいいのだが、校則が厳しいため、弁当箱のサイズも決まっている。おかずは3品以上入ってなければならず、毎日変えなければならない。
みんな大変だった。馬鹿にされるような弁当を想像したら、弁当と一緒に廊下に立たされるのだから。
今日も1人の生徒が担任に怒られていた。
「こんな弁当駄目駄目! 白いご飯に、シューマイ、はんぺんも、全部白じゃないですか。緑を入れなさい! お前はそんなんだからいけないだ」
色白の男子が白い弁当と共に廊下に立たされようとしていた。
その時、校則破之助はというと、弁当を食べていた。
彼の弁当箱は、校則やぶり以前に規格やぶり。
弁当界に革命をもたらす仕様をしていた。
迷路だったのだ。
弁当の中を迷路になるように、くぎっていた。
スタートからスタートして、白いめしを食べてゆく。途中途中、めしに隠れたおかずに行き当たる。そして、ゴールを目指す。
たのしくおいしく、1人で自由な弁当を満喫する破之助だった。
担任は目を反らしたが、廊下向かう男子生徒は、校則破之助の弁当を見て、すこしだけ微笑んだ。
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