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醤はそんな場所に幾年も存在していた。 正直な所「何年経っているか」なんて彼自身もわかっていない。 彼は時間に関しても気に置いた事など一度もないし、他者との関わりも極力避けている。 暗闇から出ようとか、出たいとか​──そういった事は微塵も考えた事がなかった。 というのも、彼はこの空間で全てが事足りているからだった。 視野的な問題は何一つないし、人らしい食事はなくても問題ない。 そして特別したいと思う事もない。 それは恐らく、彼にとってこの暗闇は非常に落ち着く場所だからだろう。 何せ彼はこの暗闇で生まれ、それからずっと今までこの暗闇で生きている。 更に言えば、彼は今まで一度も「生活」らしい事は一切行っていない。 醤が出不精である事を抜きにしても彼はこの暗闇から出る気は起きないし、出る理由もなかった。
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