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そんな彼の唯一の暇潰しは人間界を覗く事だけだった。
人間の下らない生き様を見て鼻で笑い、蔑む。
人間は下らないやり取りを相互で取り、それに伴う負の感情をごまんと湧き出す。
葛藤、苦悩、疑心、失意、後悔、嫉妬、嘲罵、復讐、怨念。そして絶望。
実に下らないと思いながら、眺めるのが日課と言ってもいい程だった。
そして、彼は「それらを下らないと言いながらも眺めるのが暇潰しになっている自分」も非常に下らないし賎しいと思っていた。
全てにおいて「下らない」と思いながらも、醤は其処に居る。
彼は出不精の死神。
下らない負の感情と魂を餌に生きている。
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