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レイカと1時間半ほどで別れたあと、帰宅後夕食までの間に早速ネットで探してみることにした。携帯だとうっかり覗かれる可能性もあるからわざわざパソコンを立ち上げた。しかもブラウザのシークレットモードを使う徹底ぶりに我ながら感心する。
それにしても結婚記念日、そして誕生日が同じだというのに、どうして今まで「誕生石のアクセサリー」が思いつかなかったのだろう。オレってやつは本当にこういうセンスが足りない。
ネットショップは購入後の受取が面倒なので、実際に足を運べる店を探した。検索ボックスに地名と「アクセサリー」「ショップ」と入力すると、会社からそう遠くない店を見つけることができた。
サイトに掲載されていたラインナップを一通り眺める。アメジストはレイカの言うとおり値段も手頃で、大げさではなく普段遣いにも違和感がない。三ページ目末尾の、シルバーのリボンチャームに小さくアメジストがあしらわれているデザインが目に留まる。大きな主張もせず、真奈美によく似合いそうだったし、予算にも収まっている。よし、これがいい。すぐさまスクリーンショットを撮った。
真奈美へのプレゼントが決まったところで、ブラウザバックをした。そして、さっき目を付けていたもう一つの商品を探す。
『一度だって結婚記念日にプレゼントなんて貰ったことなかった』
『あたしも二月生まれなんです』
レイカは何の気なしに言ったことだったのだろうが、やけに気になってずっと頭から離れなかった。レイカも二月が誕生日なんだし、アメジストのアクセサリーを送っても何らおかしなことはない。アドバイスを貰ったお礼として渡すことで違和感もないだろう。
ページ中頃に、ピンクゴールドのドロップ型のチャームに少し大きめのアメジストがデザインされたネックレスが載っていた。先ほど真奈美に選んだものより少し安価だったが、大ぶりの存在感あるフォルムは、彼女くらい地が華やかな人に似合いそうだと思った。これで、いいか。こちらもスクリーンショットに収めたところで、リビングから「食事ができた」という真奈美の声がした。
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