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第二話 大亀とマイケル・ベイ
俺とエマリィ・ロロ・レミングスは森の中を彷徨っていた。
というか、絶賛遭難中だった。
「――タイガ! 左の木の枝に双頭の豹だよ!」
その言葉の通り、木の枝の上に先ほどと同じ双頭の豹が。
しかも俺たちの姿を見つけて、嬉しそうに舌なめずりをしている。
しかし、
ズダダダダダッ!!!
と、銃声が木霊すると、豹の体躯に血の花が咲き乱れた。
銃声の正体は俺の右手で紫煙を燻らせているアサルトライフルHAR-22だ。
「まったく次から次へと性懲りもなく……!」
そんな俺の愚痴とは裏腹に、エマリィは地上へ落ちた双頭の豹へ、てててててーっと一目散に駆け寄っていく。
その後ろ姿はどこか楽しげで小動物っぽい。
そして彼女が掌サイズのクリスタル球を掲げて呪文を唱えると、魔物(モンスター)の死体から紫色の煙のような筋が何本も噴き出してクリスタルへ吸い込まれていく。
なんでも魂を回収せずに死体を放置しておくと、魂と魔力が結合した挙句に次々と魔力を呼び寄せて「生きる死体」として復活してまうのだそうだ。
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