第二話 大亀とマイケル・ベイ

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 この少し食欲が旺盛な金髪編み上げツインテの少女は、数時間前にこの森で拾った。  いや、拾われたと言う方が正解か。  俺は自宅でVR-FPS「ジャスティス防衛隊」をプレイしようと、VRヘッドギアの電源を入れたら、何故かこの異世界の森へと飛ばされていたのだ。  しかもゲーム内のアイテムとともに。  エマリィは元々森林大亀(フォレストジャイアントタートル)という魔物の卵を採取する冒険者パーティーに、日雇いの治癒魔法使いとして同行していたらしいが、怒った森林大亀(フォレストジャイアントタートル)によってパーティーは全滅。  一人生き延びた彼女は森の中を逃げていたら、今度は双頭の豹(アンフィスパンテル)に見つかって追われる羽目に。  そして、そこへ異世界転移してきて空から降ってきた俺が出くわしたという訳だ。  エマリィは焚き木の前で何やらブツブツと呪文を唱えると、掌が淡く光を発して火の玉が浮かび上がる。それを焚き木にくべて火を起こす。  しかし肉を焼き始めたエマリィは本当に幸せそうだ。  なんでも今年成人したばかりの十五歳で、故郷の田舎から冒険者になるために王都へは三ヶ月前に出てきたらしい。     
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