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とにかくこの森に転移してきてから、既に双頭の豹を中心に、大トカゲや大蛇と言った魔物に遭遇しているので気が気でない。
「ねえ、その鎧って暑くないの?」
肉をもきゅもきゅと頬張りながら、興味深そうに俺を見ているエマリィ。
「うん。これが意外と大丈夫なんだな」
ABCスーツは機能特性ごとに三つのタイプに分かれていて、いま俺が着ているのが「アルティメットストライカー」と呼ぶバランス重視のノーマルタイプ。
武骨な形はしているが、体温調節機能はきちんと機能しているので、こんな熱帯のジャングルを彷彿とさせる森の中に居ても、素晴らしいくらいに快適だったりする。
ちなみにバイクのフルフェイスヘルメットをさらにごつくしたようなヘルメットは、装着者の意思で自動的に首筋に分割収納されるので、今は収納してある。
「それよりもエマリィの方こそ、そのローブを脱げばいいじゃん。この日差しだと幾ら森の中でも暑いでしょ?」
木と木の間からは二つの太陽が見えて、強烈な日差しを森の中に注ぎ込んでいた。
「でもこれ魔法具なんだよね。防御魔法が付与してあって致命傷を免れるの」
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