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と、エマリィは自慢げにローブを摘んで見せる。サイズが一回り大きいのか、小柄な彼女が着ていると妙にブカブカで、胸がフラットなところも含めてやたらと庇護欲が刺激される。
「あ、タイガは魔法具って覚えてる?」
「あ、ああ、何か聞いたことあるような、ないような……」
俺は異世界転移してきたことを説明するのが面倒くさくて、記憶喪失と言うことにしていた。
本名の青山大河をもじったタイガアオヤーマという名前だけを覚えていて、このパワードスーツや銃火器については、全く覚えていないという設定だ。
「ふーん。でもタイガのその奇妙な鎧や攻撃魔法は、絶対に失われた古代魔法となにか関係あると思うんだよね。ねえ、その鎧の左肩にある花のマークはなに? それも覚えていないの?」
エマリィは肉をもきゅもきゅしながら近付いてきて、ABCスーツを隅から隅まで観察する。
もうそれは興味津々だ。
今も指で突いて見たり、引っかいて見たり、匂いを嗅いだりしている。
まるで自分自身が身体検査でもされているみたいで変な気分になってくる。
それに彼女の全身から漂ってくる汗混じりの体臭が妙に生々しくて、脳みその奥が痺れてくる。
ちなみに左肩の花のマークはシングルプレイで300ミッションをクリアした特典だ。三つの兵装すべてクリアすれば花は三つになる。
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