第二話 大亀とマイケル・ベイ

7/13
前へ
/1444ページ
次へ
 花の名前はエピデンドラムと言う実在する花で、花言葉は「孤高への憧れ」―― 「あうー、この花はなんだっけな……。あー頭が痛いよー」 「ごめんね。無理に思い出そうとしなくていいよ。でもタイガはそんな凄い魔法が使えるんだから、きっと冒険者だったと思うよ」 「冒険者?」  この世界は剣と魔法の世界で、さらに冒険者という稼業も存在するらしい。 「ねえ、冒険者ギルドへ入っていたか覚えていない? もしかしたらギルドへ行けばタイガのこと何かわかるかも!?」 「あー、たぶん入ってないかな。うん、入ってないや。それだけはなんかはっきりと覚えてるような」 「じゃあダンドリオンへ戻ったらボクに案内させて! 助けてもらったお礼だし、タイガの世話はボクに任せて」  と、ぱっと花が咲いたように笑うエマリィ。  そんな可憐な笑顔に思わず見蕩れていると、突然背後でメキメキッと大木の倒れる音が。  振り返ればいつの間にか全長十メートルはある大亀が佇んでいて、血走った目で俺たちを睥睨しているではないか。  鰐亀(ワニガメ)をもっと凶暴にしたような顔のこいつこそ、エマリィの言っていた森林大亀(フォレストジャイアントタートル)だろう。     
/1444ページ

最初のコメントを投稿しよう!

397人が本棚に入れています
本棚に追加