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花の名前はエピデンドラムと言う実在する花で、花言葉は「孤高への憧れ」――
「あうー、この花はなんだっけな……。あー頭が痛いよー」
「ごめんね。無理に思い出そうとしなくていいよ。でもタイガはそんな凄い魔法が使えるんだから、きっと冒険者だったと思うよ」
「冒険者?」
この世界は剣と魔法の世界で、さらに冒険者という稼業も存在するらしい。
「ねえ、冒険者ギルドへ入っていたか覚えていない? もしかしたらギルドへ行けばタイガのこと何かわかるかも!?」
「あー、たぶん入ってないかな。うん、入ってないや。それだけはなんかはっきりと覚えてるような」
「じゃあダンドリオンへ戻ったらボクに案内させて! 助けてもらったお礼だし、タイガの世話はボクに任せて」
と、ぱっと花が咲いたように笑うエマリィ。
そんな可憐な笑顔に思わず見蕩れていると、突然背後でメキメキッと大木の倒れる音が。
振り返ればいつの間にか全長十メートルはある大亀が佇んでいて、血走った目で俺たちを睥睨しているではないか。
鰐亀をもっと凶暴にしたような顔のこいつこそ、エマリィの言っていた森林大亀だろう。
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