第二話 大亀とマイケル・ベイ

8/13
前へ
/1444ページ
次へ
「ずっと追いかけてきたってか……!? でも残念! すでに俺という騎士(ナイト)が――!」  と、颯爽とHAR-22を構えるが、次の瞬間、大亀の頭突きを食らって吹き飛ばされていた。   宙を舞う体は、大木を数本なぎ倒したところでようやく止まる。 「いってえー!」  衝撃の大半はABC(アーマードバトルコンバット)が防いでくれているとは言え、痛みを感じないわけではない。  それに今の攻撃でHPメーターが九百近く減少だ。  この異世界に来てからアルティメットストライカーの五千あるHPメーターは、すでに三分の二以上減ったことにるのか。  自分の余命が数値化されて表示されているのが、こんなに胸糞だったとは!  これは相当胃に悪い。  そして俺を排除したと思った大亀の興味はエマリィに移ったようで、今まさに絶賛追い掛け中だった。  どうやらのんびり寝転がっている場合ではないようだ。  俺はゲーム内でコマンドルームと呼ばれていたメニュー画面を呼び出して、「武器」の項目から初期装備でもあるグレネードランチャーHGR-14を装備。  しかしこの大亀はワニガメに似た凶暴な顔つきをしていて、尖った吻端の両側には鋭い牙も見えてかなり迫力があった。     
/1444ページ

最初のコメントを投稿しよう!

397人が本棚に入れています
本棚に追加