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そして全身は浅黒く刺々しい皮膚に覆われていて、背中のぶ厚く巨大な甲羅の大半は苔に覆われているので、周囲の大木をなぎ倒しながら進む重厚感のある突進力と合わせて、まるでカモフラージュネットで覆われた戦車のようだ。
だがこの程度の怪物にビビる俺でもなかったけれど。
「おーい、こっちだこっち!」
とりあえず大亀の甲羅にグレネード弾を数発叩き込んでやる。
シュポン! シュポン! シュポン!
と、独特の発砲音とともに大亀を目掛けて弧を描いて飛んでいくグレネード弾。
甲羅の上で立て続けに爆発が起きるが、甲羅を吹き飛ばすまでは至っていない。
さすがに先程の双頭の豹のようにはいかないらしい。
しかし俺は特に慌てていなかった。
今はとにかくヘイトをこちらに向けさせる事と、この世界の生態系に対する威力偵察も兼ねていたからだ。
「今日出会った魔物の中じゃ一番の大物だ。どの程度の硬さか調べさせてもらうからな――」
だからここは敢えて初期装備のまま大亀に立ち向かうのだ。
そして目論見通り、亀の魔物はウギャアと怒りの声を発してこちらを睨みつけると、ドスンドスンと四つの脚を弾ませてこちらに向きを変えた。
それに合わせて再度コマンドルームを開いて「兵装」からフラッシュジャンパーを選択。
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