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プラズマ球体が命中する度に、大亀の頭部からは鮮血が流れたが致命傷には至っていない。
もしかしたら奴からしたら蚊にさされた程度なのもしれない。
「こいつ思ったよりも硬いな……。ゲームだと大体ノーマルモードくらいの硬さか……。でも図体がでかいだけでそこまで警戒する必要もなさそうだ。そこまでわかればもう十分だ……」
それに随分と大亀が暴れまわってくれたおかげで、周囲の大木はなぎ倒されて程よい感じに視界が開けている。
これ以上放置しておくと、エマリィが倒木の下敷きなりかねない。
仕掛けるなら今が絶好のチャンス。
俺はジャンプを止めて立ち止まった。
「――ショルダーミサイルオープン!」
そう音声コマンドを詠唱すると、両肩のミサイルユニットの発射口が開いて、同時にシールドモニターには六つのターゲットカーソルが表示された。
その一つ一つを素早く視線で誘導してやり、大亀の巨体の各部位にロックオンさせていく。
そして――
「パルティアンショットファイア――!」
シュパパパパパパン!!!
音声コマンドを合図に、両肩のミサイルユニットから三発ずつ自動追尾ミサイルが射出音と共に発射。
合計六発の小型ミサイルは視界が切り開かれた森の中を、白煙を上げながら空を切り裂いて進んで行く。
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