第二話 大亀とマイケル・ベイ

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 そして大亀の頭部と甲羅へ着弾すると、爆音と共に六つの火柱が盛大に立ち上がった。    ズドドドドドドーーーン!!!  ウギャアーーーーーーッ!!!  響き渡る大亀の咆哮。  しかし亀の魔物(モンスター)はそれでも倒れない。  むしろ怒り狂ったように爆炎を掻き分けて、今まで以上のスピードで突進してくる。  でも俺は慌てることなく、再度ロックオンしてパルティアンショットを放った。  シュパパパパパパン!!!  今度は六発全てを甲羅へと叩き込んでやる。  ズドドドドドドーーーン!!!  一際巨大な火柱が轟音とともに甲羅の上で盛大に炸裂した。  巨体は衝撃と爆風で地面に叩きつけられて一度大きくバウンドすると、ぐったりと大地に崩れ落ちた。  そして静寂に包まれた森に、俺の雄叫びが響き渡る。 「マイケルベーーーーーーーーーーーーーーイ!!!」  マイケル・ベイとはアクション映画の巨匠の名前だったが、ジャスティス防衛隊の一部プレイヤーの間では、爆炎と硝煙の象徴として崇め称えられていた。  元はアメリカサーバーの外人から発生したインターネット・ミームだったが、以前外人プレイヤー達とプレイしてから、その楽しそうな雰囲気を目の当たりにして以来口癖になっていたのだ。     
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