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とは言え、恵理はその勘違いを訂正せず――笑ってアレンが頭を撫でてくるのに対し、大人しくされるがままになっていた。
……見た目も年齢も全然、違うけれど。
アレンの大きな手は、離れ離れになった父親と同じだったからだ。
「……やめやめ。さー、歩くぞー」
しんみりするのを振り払うように昔、見たアニメの曲を声に出さずに(流石に、アラサーとしてはガチ歌ははばかられる)歌いながら歩く恵理はあの後、すぐ泊まっていた宿を引き払った。
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