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「よく考えたら、この世界全土に広めるのは無理よね……アレンの故郷の料理だって、帝都に届いてないんだし。ただ、食堂とか開いたら腹ペコな人の胃袋は、ガッツリ掴めるんじゃないかと思うんだ」
グウ……グウゥ……ッ。
そんな恵理の呟きに応えるように腹の鳴る音が聞こえ、恵理は驚いて振り向いた。
その視線の先では、黄金色の瞳が薄闇の中で光っていて――蛍のようだと、この世界では通じないことを恵理は呑気に考えた。
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