嫌だったと気づいてみれば

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「よく来てくれたな、エリ」 「ギルドマスター……ご無沙汰しています」 「よければ、名前で呼んでくれ。昔みたいにな」 「……はい、デファンスさん」 気づけば、帝都を後にしてから五ヶ月くらい経っていた。テーブルに岡持ちを置き、挨拶をして頭を下げる恵理に、デファンスが声をかける。 思えば、今の恵理は冒険者ではない。それ故、役職で呼ばなくても良いのだが――冒険者を辞めた云々を省いて言ってくれたデファンスに、心の中で感謝しながら恵理は答えた。 「……こんな田舎で、飯炊き女かよ」
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