2641人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな彼女に、グイドが相変わらずの憎まれ口を叩いてくる。
もっとも予想はしていたので、恵理はやれやれと思いながらも口を開いた。一応、相手は準貴族なので最低限の敬語を使う。
「働かないと、生きていけませんから」
「だったらあの時、俺に頭を下げてりゃ良かったじゃないか。そうしたら帝都を出て行くことも、田舎で苦労することも」
「仕事は冒険者だけじゃありませんし、住むところも帝都だけじゃありません」
答えながらも、そもそもグイドに頭を下げてまで冒険者を続け、帝都にいたくなかったのだと思う。
最初のコメントを投稿しよう!