嫌だったと気づいてみれば

6/7
前へ
/509ページ
次へ
……あの時は理由まで思い至らなかったが、ルーベルやサムエル達と話した今なら解る。 「『獅子の咆哮』の為だと思って、何を言われても黙って働いてきましたが……そもそも馬鹿にされるのは嫌ですし、私がそうやって馬鹿にされるのを嫌がる人もいます」 「そんな……嫌って」 「働くこと……いえ、生きることはそもそも楽なことばかりではないと思います。だけど嫌な気持ちで苦労することと、楽しい気持ちで苦労すること。それなら私は、楽しい気持ちで苦労することを選びます」 そこで一旦、言葉を切って恵理は真っ直ぐにグイドを見つめて尋ねた。
/509ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2641人が本棚に入れています
本棚に追加