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確かに、恵理はグイドに好き勝手やるように言った――言ったのだが、まさかである。
「俺を、あんたのところで働かせてくれ! 勿論、ただ働きでいいっ」
まさか泣き終えたグイドが、ババアだ年増だと言っていた恵理に土下座をし、そんなことを言い出すとは思わなかった。
「……えっと、まさかと思うけど罪滅ぼしのつもりなら結構よ?」
「違うっ……いや、全く違うとは言えないが……」
恵理の言葉に反論するが、何故かそこでグイドが顔を赤くする。意味が解らず首を傾げていると、そんな恵理の視線の先でグイドがキッと顔を上げた。
「俺、あんたに惚れた……いや、惚れてた! つまり、惚れた女の力になりたいんだっ」
「え、無理」
「っ!?」
「いや、過去形なら尚更。好きな相手を罵るとか本当、無理」
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